平日週末問わず賑わうパブでは、カウンターまわりに注文待ちの客がわらわらと集まる。どのパブでもその場で注文して、商品と引き換えにお金を支払うキャッシュオンデリバリー方式が基本だ。とはいえ、そのカウンターで飲んでいる人もいるので、パッと見、誰が注文待ちなのかわかりにくいもの。もちろんきれいに並ぶということはない。
では、どのようにして注文できるかというと、お客さん同士でだいたいの順番を理解しており、「Who’s next?(次はどなた?)」「Yes, I am. / me.(私です)」「After you.(お先にどうぞ)」など、声をかけながらオーダーが進む。強引に割り込むとまわりにも迷惑がかかり、何しろ他の人の目線が痛い。注文するためにカウンター近くまで行ったら、まわりの状況を見ながら自分の番を待つべきだ。
また、複数人でパブに行ったら、誰かひとりがまとめて注文しにいくのもパブルール。その際、「My Turn.(僕の番ね)」と声をかけて、人数分おごるのが注文しにいく人の役目。2杯目になると他の人が「My Turn.」「Your Turn.」になって、それが3杯目、4杯目となって、仲間内みんなでおごり合う。そのため、飲み干すスピードを合わせるのが重要で、早い人がいると全員のピッチが自然と上がる。
4人で行って4杯飲んだら(全員がターンを終えたら)、次のパブに向かって、そこでも同じターンの繰り返し。それを2軒3軒と繰り返すうちに、お腹がたぷたぷになってきて、もう量は飲めない! となったときにはショットで乾杯&グイッと飲み干す(繰り返し)。ふらふらになりながら、深夜にケバブでフィッシュ&チップスをオーダーして帰路につく。
もちろんこれは極端に「飲む!」という例だが、それでなくても2軒3軒は当たり前。それでも酔いつぶれる人が少ないのは、イギリス人は体質的にお酒に強いのだろう。なお、パブや道端で酔いつぶれるのはマナー違反なので、飲み過ぎには気をつけるべき。ターンもそこそこに「I’m enough.(限界です)」も必要だろう。もちろん、次の日もパブタイムがあるのだから。