■革靴ではずさない「シングル」「パラレル」
普段なんとなく通している靴紐ですが、実は通し方にもフォーマルな通し方とカジュアルな通し方が存在します。何も知らずビジネスシーンでスニーカーのように靴紐を通したりしていませんか?
靴紐の通し方は与える印象だけでなく、フィット感や履き心地にも大きく影響します。
今回は革靴を履く時に間違いのないフォーマルな通し方「シングル」「パラレル」という2つの定番の通し方を紹介します。
■オーソドックスで上品な印象の「シングル」
最もすっきりした見た目になる「シングル」は一番トラッドで簡単な結び方。フォーマルやビジネスシーンとの相性が良いのでまずは覚えておきたい結び方です。ただ、シンプルな結び方なだけに、緩みやすいという特徴も。外回りで長距離を歩く人というよりは、デスクワークや脱ぎ履きが多い人などにおすすめな結び方です。
<ステップ①>
手前(つま先)に向かって右(外側)から順に、それぞれのアイレットに番号を振っておきます。
まずは手前の①、②に表側から靴紐を通します。この時左側に通した靴紐を長めに取っておくと、最後に紐の長さを調整しやすいです。
<ステップ②>
①に通した靴紐を足首に近い⑩に裏側から通し、⑩に通した靴紐はこのままおいておく。
<ステップ③>
最初に②に通した靴紐を③に裏側から通します。
<ステップ④>
②に通した靴紐を④に表側から通します。
<ステップ⑤>
<ステップ3>と同じ様に④に通した靴紐を⑤の裏側から通します。そのまま同様の手順で⑦と⑧にも靴紐を通します。
<ステップ⑥>
⑧に通した靴紐を⑨に裏側から通します。
<ステップ⑦>
靴紐の長さを調整して結べば完成。内羽根の革靴やストレートチップなどドレッシーなシューズと相性抜群です。
■シングルよりも優れたフィット感「パラレル」
シングル同様にフォーマルな見た目ながらも、若干のスポーティさがあり、伸縮性のある通し方です。革靴はもちろんスニーカーを上品に見せたい時にも好まれる通し方で、左右の長さが調整しやすく緩みにくいのも特徴。また、フィット感が高い分、疲れにくいため革靴で歩き回る様な人におすすめです。
シングル同様に①、②に表側から靴紐を通します。この時、左右の紐の長さを同じにとるのがポイント。その後、②に通した靴紐を③に裏側から通します。
③に通した靴紐をそのまま④に表側から通します。
④に通した靴紐は一旦保留します。最初に①に通した靴紐を⑥に裏側から通します。
⑤に通した靴紐をそのまま⑤に表側から通します。
⑤に通した靴紐は一旦保留します。先ほど④に通した靴紐をステップ⑵と同様に⑦に裏側から通した後、⑧に表側から通します。
⑧に通した靴紐をそのまま⑨に裏側から、先ほど⑤に通したく靴紐を⑩に裏側から通したら完成。長さは最初に揃えておけば最後は微調整で済みます。
靴紐の通し方は一見同じ様な見た目でも、種類によって履き心地に変化を与えます。この他にもスニーカーで定番のカジュアルな通し方や、甲がキツく感じる時の通し方など靴紐の通し方だけでも多岐にわたります。購入したものの足に合わずタンスの肥しになっている革靴があれば、一度、靴紐の通し方を見直してみるのもおすすめです。
TEXT & PHOTO/宇田川雄一