Author: 宇田川雄一

ボタンの留め方から小物の使い方まで。スーツをカッコよく着こなす5つのポイント

ボタンの留め方から小物の使い方まで。スーツをカッコよく着こなす5つのポイント

漠然とスーツを着ていたりしませんか? 実はスーツの着こなしには多くのルールが存在します。ルールと聞くと面倒に感じるかもしれませんが、逆に言うと、初歩的な事さえしっかり押さえておけば、スーツほど自信を持って着こなせる服はありません。   カジュアルの場合は、流行のアイテムやシルエット・素材などトレンドの状況で変わりますが、スーツなら多少のトレンドはあるものの、着こなしのルールには変化がありません。   今回は数あるルールの中でも特にトレンドに左右されない、基本となる5つのルールを紹介します。 スーツのルール:その① シャツとジャケットは袖丈のバランスが大事 スーツにとって一番大事なのはサイジングです。特にジャケットとシャツのバランスはとても重要。肩幅やウエスト・着丈など注意するところはたくさんありますが、既製品のスーツをジャストサイズで着ているように見せるためには、まず“袖丈”を注意しましょう。 ジャケットの適切な袖丈の長さは、腕を自然に下ろした時に腕のくるぶしが隠れるくらいの長さが理想。もしくは、親指の先から11~12cmを目安にすると良いと言われています。要するに指先からシャツまでの見た目が重要ということです。   そして一番大事なのが、シャツとのバランス。シャツはジャケットの袖から1~1.5cm覗くのくらいがベストになります。このルールは、シャツなら汚れても洗えることから、ジャケットよりちょっと長くする習慣に由来しているそうです。 スーツのルール:その② 高級感を出すなら小物は同色で揃えて統一させる パッと見の印象で大きな要素を占めるのが小物です。ネクタイ・メガネ・バッグ・腕時計・ベルトなどの色を統一するだけで、グッと品のあるスタイリングになり安定感が上がるほか、素材も意識して揃えると、よりエレガントなスタイリングに近づきます。 △カルレイモンの時計「Stainless Steel with White Dial」/3万500円、ジャラン スリウァヤのシューズ/3万6000円、ホワイトハウスコックスのベルト/1万7000円(バーニッシュ)、マッキントッシュトロッターのブリーフケース/2万3000円(エース)*10月発売予定、オリバーピープルズの眼鏡/2万8600円(オプティカルテーラークレイドル青山店)<税抜き価格> たとえば、“ビジネスシーン”ならブラックで統一するのがおすすめ。カッチリしすぎたくない時にはアリですが、ブラウンのシューズはどうしてもカジュアルなイメージを与えてしまいます。カバンや時計など簡単に色を統一できない場合は、最低でも靴とベルトの色は合わせましょう。それだけでもスタイリングがしっかりと締まります。   また、最近流行りの機能的なナイロンバックでも、色を意識してあげるだけ統一感が上がりスタイリングが引き締まります。ちなみに、シルバーもモノトーンな印象を与えるため黒との親和性が高いアイテムです。 スーツのルール:その③ 基礎中の基礎!ジャケットのボタンの留め方 ジャケットのボタンの留める箇所にもルールがあります。三つボタンの場合は上ふたつ、二つボタンの場合は上ひとつです。また、第一ボタンがラペル裏に隠れる仕様のジャケットである、「段返り」という三つボタンのスーツの場合は、「中1つ掛け」になります。どの仕様でも一番下のボタンは飾りなので、外すのが基本になります。 三つボタンとふたつボタンで、どちらがオシャレということはありません。ただ、三つボタンのスーツは若々しい印象を与えることもあり、最近のビジネススーツではVゾーンをより広く見せられるふたつボタンか、段返り三つボタンが好まれています。   ちなみに、座っている時はボタンを全部外します。以前観た海外の映画では、座ったり立ったりする時に、いちいちボタンの開け閉めをしていました。ちょっと面倒ですが、この動作を自然にこなせると、スーツならではの“所作”になり色気がグッと増すため、是非とも実践したいスーツマナーです。 スーツのルール:その④ ネクタイは「ディンプル」を作る 結び方、ラベルとの幅の相関性、シャツとのバランスなど色々と注意することはありますが、ネクタイをする時に一番大事なのは「ディンプル(えくぼ)」を作ることです。ディンプルはネクタイに立体感を持たせて華やかに見せる効果があります。   結び方にコツが必要なため、ディンプルを作れてる人は少ないですが、裏を返せばディンプルを作れるだけで他の人と着こなしに差をつけられます。顔に近いネクタイは印象に残り易い部分ですから、ディンプルを作ることでデキる男を演出してみてください。 ここで、注意しなければいけないのが、「葬儀」の際はディンプルを作ってはいけません。立体的で華やかさを演出するディンプルは、場に相応しくないからです。逆に結婚式の場合はディンプルを忘れずに作りましょう。 スーツのルール:その⑤ 手を抜きがちな靴下の色にもテクニックあり ここまで4つのルールを押さえてきましたが、うっかり手を抜いて全てを台無しにしかねないのが靴下の色です。スポーツソックスを合わせるなどは当然NGとして、今流行っている黒の革靴に白いソックスという組み合わせも、ビジネスシーンではNGになります。   正しくは、靴の色かパンツの色と揃えてあげると良いでしょう。ただ革靴は色移りし易いので、靴と靴下の色を揃える方がおすすめです。 いろいろと難しいような気がしてしまうスーツの着こなし方ですが、しっかりとポイントを覚えておけば、ビジネスの上でも一目置かれる存在になるのは間違いありません。 TEXT & PHOTO/宇田川雄一

「革靴のフォーマルな履き方と知っておくべき基礎知識」

「革靴のフォーマルな履き方と知っておくべき基礎知識」

ファッションの格式を上げてくれる革靴は、履いていれば“フォーマル”というわけではありません。十把一絡げに革靴といっても、「ローファー」のように“カジュアル”として分類されるアイテムもあります。フォーマルに履きこなすために必要なのは、闇雲に高価格やハイブランドを選ぶのではなく、靴のフォーマル度がスタイリングやTPOに合っているかどうかが重要になってきます。 そこで革靴選びの基礎について学んでいきましょう。シルエット、アッパーの素材、ソールの種類と要素はさまざま。中でも重要な「靴ひもの有無」、「内羽根式/外羽根式」などのスタイル、「ストレートチップ/ウイングチップ」などのデザインについて知るだけで、靴の選び方が大きく変わってきます。せっかくの革靴をオシャレに履きたいのであれば、基本を押さえて大人らしいスタイルと、TPOに適した選び方を身に着けてください。 靴の「スタイル」を知ることがフォーマル度のはじめの一歩 まず革靴には、ひも靴やスリッポンなどを分類する“スタイル”があり、それによって大まかなフォーマル度が決まってきます。ひも靴の内羽根式→ひも靴の外羽根式→ストラップ→スリッポンという型の順でフォーマル→カジュアルに近づいていきます。 そこで、まず「内羽根式」とは、靴ひもを通すハトメの取付け部がアッパーと一体、もしくは甲革の下に入るように作られているタイプのことを言います。 「外羽根式」は、ハトメの取付け部がアッパー革の上部に縫い付けられるように作られているため、内羽根式に比べてフィット感の調整が簡単で、着脱しやすい機能性があります。そのため、ビジネスでの用途でも好まれています。 フォーマルな内羽根式と、ビジネスからカジュアルまで汎用性の高い外羽根式に分別するとよいでしょう。 最もフォーマルな「内羽根式ストレートチップ」 ひも靴やスリッポンといったスタイルを意識した後に、デザインのフォーマル度を意識します。ビジネスにおいて最もフォーマルな革靴は、つま先に横一文字の切り替えが入ったデザインが特徴の「内羽根式ストレートチップ」です。 ストレートチップは、別名「キャップトゥ」とも呼ばれ元々は軍隊がつま先の補強のために革を当てたことに由来します。 ビジネススーツはもちろん、冠婚葬祭や就職活動でもかしこまった場面で使える、一足は持っておきたい革靴です。逆に、フォーマル度の高いシューズだけに、ちょっとカジュアルなジャケパンには合わせづらくなります。 「ウイングチップ」でも内羽根式ならビジネスで使えるフォーマルさがある 「ウイングチップ」とは、トゥの部分に翼(ウイング)のような切り替えがついたデザインが特徴のシューズです。多くのウイングチップはメダリオンで飾られているためカジュアルな印象を受けますが、内羽根式であればスーツにも合わせられるフォーマルなシューズとして認められています。 ただ、プレーントゥやストレートチップよりもカジュアルなシューズなので、日常のビジネスシーンで使用する分には問題ないとはいえ、フォーマル度の高い場所(結婚式に親族として出席するような場所)には向いていません。 ウイングチップの由来には諸説あり、元々は16世紀から17世紀頃にスコットランドやアイルランドなどで履かれていた作業靴がルーツとも言われます。その後、イギリスに渡り狩猟用やタウンユースのシューズと認知されるように。 さらにアメリカに渡り「ロングウイングチップ」と呼ばれるデザインが生まれるなど、国やブランド毎に歴史的な特徴がでる興味深いシューズです。 ジャケパンに合わせるのがベストな「外羽根式」 「外羽根式」の特徴として、内羽根式に比べて靴紐とフィット感の調節のしやすさがあります。そのため外羽根をスーツに合わせる人もたくさんいますし、ビジネススーツに合わせる靴として販売されていることも。ただ、内羽根式よりもフォーマル度は下がるため大事な場面では内羽根式を選ぶのがおすすめです。 外羽根式でスーツに合わせるなら、ストレートチップかプレーントゥに抑えましょう。 ウイングチップになるとトリッカーズに代表されるようなカントリー感やハンティングブーツの印象が強くなります。 また外羽根式のプレーントゥとはいえ、サービスシューズやポストマンシューズのようなカジュアルな革靴もあるため、自信がない人は「外羽根式の時はジャケパン」と認識しておけば間違いありません。 「Uチップシューズ」はビジネススーツに合わせてもOK? 最近ではパラブーツやオールデンに代表されるような、「Uチップ」のデザインの革靴をスーツに合わせて履く人も増えていますが、ビジネスシーンで使用するならジャケパンまでが限界です。 この「Uチップ」とは、その名称が示すように靴のつま先がU字型の蓋のようにモカシン縫いされているデザインの靴の事を指します。イギリスではカントリーシューズとして、フランスでは狩猟用、アメリカではゴルフシューズとして使用されてきたことからも、カジュアルシューズとしての用途が多いシューズです。 ただ、その高い汎用性と堅牢でボリューミーなシルエットから、近年ではファッション性の高い革靴として人気のアイテムとなっています。 「ローファー」はカジュアルをドレスアップしてくれる大人なカジュアルシューズ 脱ぎ履きしやすいことから「ローファー(怠け者)」と名付けられたスリッポンの一種がローファーです。 そのルーツは貴族の書記官が室内履きにしていた、現代でいうスリッパ的な靴になります。そのため、やはりビジネススーツに合わせる靴でないことは確かで、フォマール度は低め。 とはいえ、カジュアルでちょっと大人っぽさを出したい時、ジャケパンでリラックスさを出したい時、いろいろな場面でアクセントになってくれる人気のアイテムです。ローファーを上手く使えるとおしゃれの幅がグッと広がることも間違いありません。   ファッションは掛け算です。キチッとした髪型や服装でいたとしても、足元が0点やマイナス点であれば全てが台無しになります。 特に靴は歩きやすさの機能性を求めたり、消耗の激しさだったりから、ついつい疎かになりがち。それゆえに靴のフォーマル度を知っているだけで、装いの安定性も増す上に周囲と差を付けやすいアイテムと言えます。大人らしいTPOを意識すれば、「その場に適した装いをしている」という自信にも繋がり、生活を豊かにしてくれるでしょう。 TEXT/宇田川雄一 PHOTO/shutterstock