1964年、ブライトンの海岸で若者たちが大乱闘を繰り広げた。細身のスーツにミリタリーパーカーをまとい、ベスパやランブレッタなどのスクーターで移動していたモッズと、革のライダースジャケットに革パンツのスタイルで、トライアンフやノートンにまたがっていたロッカーズ。着ている服や聴く音楽、乗るバイクまで異なるモッズとロッカーズはしばしば抗争を繰り広げていた。
ブライトンの海岸で起きた両者の衝突はその最たるもので、「ブライトンの暴動」「スタイル・ウォー」と呼ばれ新聞沙汰になったほど。その後、この事件は映画『さらば青春の光』(Quadrophenia・1979年制作)となって後世に語り継がれている。
なお、2011年に作られた映画『ブライトン・ロック(Brighton Rock)』は、モッズとロッカーズの時代背景に加え、当時のブリティッシュギャングの抗争を描いたもの。両方の映画を観るとブライトンの歴史がよく分かる。余談だが、ブライトン・ロックは街で売られているお土産の“飴”のこと。金太郎飴のようにどこで切っても同じ絵柄で人気だ。